イラストレーターや漫画家などのクリエイターが、他人の作品をトレースや模写して自分の作品として発表したり、販売したりする「トレパク」行為が問題視されています。
一方で、トレパクとは違うと主張するクリエイターもいます。
彼らは、他人の作品に敬意を表して「引用」や「オマージュ」を行っていると言います。
では、トレパクとオマージュの違いは何なのでしょうか?
そして、著作権法はどのように適用されるのでしょうか?
この記事では、Twitterで話題になっている件について解説します。
Twitterで話題になっている件
【悲報】トレース警察さん、時を駆け過ぎた元少女さんの絵を
「これでもトレパクでは無いと言い張るのカー!」
とドヤ側で提示したら、コミュニティノートから
「こんなんトレパクじゃねーよw」
と完全否定されてしまう公開処刑で返り討ちに合うw
難癖屋に未来は無いと思うんだなw pic.twitter.com/KuG9EYWQIR
— 銀星王 (@ginseiou) August 1, 2023
現在、話題になっているのがトレース警察さんが、時を駆け過ぎた元少女さんの絵をトレースとして投稿してい件です。
過去にTwitterでは、何件かのトレパク疑惑が話題になっています。
例えば、
- 人気イラストレーター「古塔つみ」氏が、別の人が撮った写真やイラストをトレースして自分の作品として発表したり販売したりしていたことが発覚しました。古塔氏は、自身のTwitterで謝罪しましたが、トレースではなく模写であると主張しました。この件に関しては、ポケモンやYOASOBIなどのコラボ商品の販売が中止されたり、返金対応が行われたりしました。
- 人気漫画家「ハシヅメユウヤ」氏が、他人の作品をオマージュとして自分の作品に取り入れていたことが発覚しました。ハシヅメ氏は、自身のTwitterで説明しましたが、オマージュと模倣の違いについて議論が巻き起こりました。この件に関しては、著作権者から許可を得ていたかどうかや、オマージュの範囲や方法について意見が分かれました。
これらの件では、トレパクとオマージュの境界線が曖昧であることや、著作権法の解釈や適用が難しいことが問題となっています。
トレパクとオマージュの定義と違い
トレパクとは、他人の写真やイラストをトレースしてパクるという意味ですが、トレースしたから著作権侵害だというわけではありません。トレースや模写が必ず違法となるわけではなく、程度によります。
著作権法では、「著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって有形的に再製する権利」である複製権や、「著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利」である翻案権が定められています。これらの権利は、著作権者だけが占有する権利です。
「トレパクである」とは、複製権もしくは翻案権を侵害している行為であるという非難です。
では、オマージュとは何でしょうか?オマージュとは、「敬意を表して模倣すること」という意味です。オマージュは、他人の作品からインスピレーションを得て自分の作品に反映させることです。オマージュは、他人の作品をそのままコピーするのではなく、自分の創造性や解釈を加えて新たな価値を生み出すことです。
つまり、トレパクとオマージュの違いは、「表現上の本質的な特徴の同一性を維持」したり、「接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得」できる場合にトレパクとなります。それ以外の場合はオマージュと言えます。
まとめ
- トレパクとオマージュは、他人の作品に依拠して自分の作品を作る行為ですが、トレパクは著作権侵害であり、オマージュは敬意を表すものです。
- トレパクとオマージュの違いは、「表現上の本質的な特徴の同一性を維持」したり、「接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得」できる場合にトレパクとなります。
- Twitterでは、最近何件かのトレパク疑惑が話題になっており、トレパクとオマージュの境界線や著作権法の解釈や適用について議論が巻き起こっています。
この記事の内容があなたの参考になれば幸いです。
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