お地蔵さんは道端や墓地などによく見かける仏像の一種です。
子供や旅人の守り神として親しまれていますが、実はお地蔵さんに手を合わせてはいけないという言い伝えがあるのをご存知でしょうか?
どうしてそんなことになったのでしょうか?
ここでは、お地蔵さんに手を合わせてはいけない理由と、その背景にある考え方や信仰について解説します。
お地蔵さんに手を合わせてはいけない理由①
お地蔵さんに手を合わせてはいけない理由は、主に以下の2つです。
- お地蔵さんは仏ではなく菩薩であり、仏の教えを広めるためにこの世に残っている存在であるため、礼拝する対象ではない
- お地蔵さんは子供や旅人の守り神であり、手を合わせるとその役目を邪魔してしまう
まず、お地蔵さんは仏ではなく菩薩であるという点です。
仏とは悟りを開いて涅槃(ねはん)に入った存在であり、菩薩とは悟りを開くことができるが、衆生(しゅじょう)の救済のために涅槃に入らずにこの世に残っている存在です。
お地蔵さんは六道(ろくどう)のすべての衆生を救うことを誓った菩薩であり、仏の教えを広めるためにこの世に残っています。
したがって、お地蔵さんは仏ではなく、仏の代理人とも言えます。
そのため、お地蔵さん自体を礼拝するのではなく、お地蔵さんを通して仏への帰依(きえ)や感謝を表すべきだという考え方があります。
お地蔵さんに手を合わせてはいけない理由②
次に、お地蔵さんは子供や旅人の守り神であるという点です。
お地蔵さんは六道のすべての衆生を救うことを誓った菩薩ですが、特に子供や旅人に対して深い慈悲(じひ)を持っています。
子供は未熟で無知であるため、様々な苦難や危険に遭う可能性が高く、旅人も同様に未知の土地や人々と出会うことで困難や災厄に見舞われる可能性が高いからです。
そのため、お地蔵さんは子供や旅人が安全で幸せに暮らせるように見守ってくれると信じられています。
しかし、その一方で、お地蔵さんに手を合わせるとその役目を邪魔してしまうという言い伝えもあります。
これは、お地蔵さんが手を合わせる人に気を取られてしまい、子供や旅人の守りを怠ってしまうということを意味します。
また、お地蔵さんに手を合わせることで、自分の願い事や利益を求めるという欲心が生じるということもあります。
これは、お地蔵さんの本来の教えである無我(むが)や慈悲に反するということになります。
お地蔵さんに手を合わせてはいけないという言い伝えの背景
お地蔵さんに手を合わせてはいけないという言い伝えの背景には、仏教の教えや信仰の変遷があります。
お地蔵さんはインドで生まれた仏教の菩薩ですが、中国や日本に伝わる過程で様々な変化を遂げました。
して親しまれるようになりました。
また、江戸時代には子供の死亡率が高かったことから、子供の冥福を祈るためにお地蔵さんが多く建立されました。
そのため、お地蔵さんは仏教の菩薩としてだけでなく、子供や旅人の守り神としても信仰されるようになりました。
しかし、その一方で、お地蔵さんに対する誤解や偏見も生じました。
例えば、お地蔵さんは子供や旅人だけでなく、六道のすべての衆生を救うことを誓った菩薩ですが、一部では「六道の王」と呼ばれて恐れられました。
これは、お地蔵さんが六道の支配者であり、人々の善悪を裁く存在だと誤解されたからです。
また、お地蔵さんは仏ではなく菩薩であるため、仏への帰依や感謝を表すべきだという教えが忘れられてしまいました。
これは、お地蔵さんが身近な存在として親しまれるあまり、仏への尊敬や感謝が失われたからです。
このように、お地蔵さんに対する誤解や偏見が生じたことで、お地蔵さんに手を合わせてはいけないという言い伝えが生まれたと考えられます。
しかし、これはあくまで言い伝えであり、必ずしも正しいものではありません。実際には、お地蔵さんに手を合わせても何も問題はありません。
ただし、その際には以下の点に注意しましょう。
- お地蔵さんは仏ではなく菩薩であり、仏の代理人であることを忘れない
- お地蔵さんは子供や旅人の守り神であり、その役目を邪魔しないようにする
- お地蔵さんに手を合わせることで欲心や利益を求めないようにする
お地蔵さんに手を合わせてはいけない?その理由について徹底解説【まとめ】
この記事では、お地蔵さんに手を合わせてはいけない理由と、その背景にある仏教の教えや信仰の変遷について解説しました。
また、お地蔵さんに手を合わせるときに注意すべき点も紹介しました。
お地蔵さんは子供や旅人の守り神として親しまれていますが、その本来の姿や教えを知ることで、より深い信仰心や感謝心を持つことができるでしょう。
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